大倉喜八郎が旅立ち前夜に友と眺めた松の木
喜八郎が10代の頃、近所に住んでいた友人・白勢三之助の父が、新発田藩士が通る際に下駄を履いたまま土下座したことが見つかり、お咎めを受けるという事件がありました。これを理不尽に感じた喜八郎は、「こんな新発田にいても仕方がない。江戸で身を立てよう」と決意します。その決心を聞いた学友の原宏平(のちの初代新発田町長)は、旅立つ友のために上町の「材乙旅館」(現在市役所駐輪所付近)で二人だけの送別会を開きました。向かいに建つ「材甚旅館」には一本の松の木が植えられており、江戸へ発つ前夜、二人は通り越しにその松を眺めながら酒を酌み交わし、故郷のために力を尽くそうと誓い合ったかもしれません。松は現在も旧北越銀行駐車場の跡地に残されています。
利用案内
- 住所:新発田市中央町3丁目2
- アクセス:新発田駅から徒歩14分